1杯のコーヒーを淹れる時、水はどのくらい重要になるのでしょうか?

コーヒーの味わいの決め手は、コーヒーを淹れるときに使用する水です。水には、酸味の強弱、コクの度合い、そして冷めた時の味わいにまで変化を与える力があると同時に、コーヒーから引き出される特性を変えてしまう力を持っているのです。

Water for Coffee(コーヒーに適した水)の共著者であるMaxwell Colona-Dashwood氏は、「水は、国家の悩みの種となる本質的な要素です。」と記しており、これは誇張ではありません。彼は、この引用文献の中で、イギリス国内の水道水に含まれるミネラル成分を変える方法について言及していますが、問題の本質は、インド中の水道水が、おそらく(ほぼ確実に)私たちの健康に害を及ぼすものであるということです。それでも、注目すべきポイントは同じであり、インド国内における様々な飲用可能な水源(RO水、ボトル入りの水、掘削井戸など)が、カフェイン入りの素敵な飲み物を美味しく淹れられるかどうかを変えてしまうということなのです。

コーヒーと水の比率

水自体について考える前に、水とコーヒーの比率を、抽出に使用する器具に応じたものにしなければなりません。正確な分量のコーヒーに適切な量のお湯を注ぎ入れることで、お好み通りのコーヒーが完成します。私たちがおすすめする比率は、お湯16gに対してコーヒー1g(16:1)です。Hario社製またはAcaia社製のコーヒースケールはぜひ持っておきたい道具ですが、通常の調理用スケールでも充分間に合います。

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水の温度

お湯を注ぎ入れる前に、お湯が適温になっているかどうか確認しておきましょう!お湯を沸かすのに電気ケトルを使用している場合は、水が沸騰してから30秒置くことで、温度が少し下がります。お湯の温度が高いほどコーヒーが早く抽出されて、苦みの強すぎるコーヒーとなるため、沸騰しているお湯を使用すると、コーヒーが焦げたようなにおいになってしまいます。

ホットコーヒーを淹れる場合は、最高でも94℃のお湯を使うとよいでしょう。抽出したコーヒーが苦すぎると感じるときは、お湯の温度を下げてから淹れるようにしてみてください。80℃の低温のお湯を使うよう指示するレシピもありますが、お湯の温度を下げれば下げるほど、コーヒーのフレーバーを抽出するのに時間がかかるようになるということは頭に入れておいてください。つまり、望み通りのフレーバーを抽出するには、より長い時間が必要になるということです。

水の化学

最後にお伝えするのは、自分の使用している水を知るということです!その水は、どこで採水した水でしょうか?硬水でしょうか、それとも軟水でしょうか?

水の力を見くびってはいけません。1杯のコーヒーの成分は、水が98%を占めており、その98%が水道水だとすれば、飲みたいと思わないはずです。しかしながら、水には、溶媒としてのより重要な役割があります。

抽出に使用する水については、確実に「きれい」であると断言されるかもしれませんが、TDSまたは総溶解固形分(Total Dissolved Solids)として表記される数値には幅があり、カルシウム、炭酸マグネシウム、フッ素、鉄、そして硫酸塩などの成分が含まれていることがあります。こうしたミネラル成分がコーヒーに含まれる成分と反応して、フレーバーが抽出されます。コーヒーを淹れる際の目標は、水の中に溶け残る固体の量を均等にすることです。ミネラル成分が大量に溶け残ると、コーヒーから本来抽出すべきでないフレーバーまで抽出されてしまい、奇妙な味のコーヒーになってしまいます。同時に、ミネラル成分が溶け残っていない蒸留水は、コーヒーと反応しないため、味のない、ぼんやりとしたコーヒーが出来上がります。

抽出に使用する水の性質を詳しく調べたいという方は、屈折計を使うことで、用意した水のTDSを確認しやすくなります。私たちの中でも、水の硬度、軟度またはTDSを実際に計測しているスタッフはごく少数であることから、私たちは、水道水は使わずにRO水を使う、という簡単なルールを推奨しています。

また、水の種類によってどのようにコーヒーの味わいが変化するのかを詳しく実験している、この記事の続きを読んでみましょう!続きの記事では、水道水、ボトル入りの水、RO水、蒸留水、そして「特別な抽出用の水」を使用して実験を行っています。

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結論

この記事が、今までよりもおいしいコーヒーを淹れるための参考になれば幸いです。忘れないでいただきたいのは、質の悪い水=味の悪いコーヒーとなり、コーヒーを抽出する間に細心の注意を払うことは、コーヒーを焙煎する間にそうするのと同じくらい重要ということです。抽出のヒントについてさらに詳しく知るには、抽出の仕方をご覧ください。コーヒーと水について詳しく解説している動画はこちらです。また、コーヒーの屈折については、この記事をお読みください。