メルティ・スバンディジ産地、別名M. S. 産地として知られるこの産地は、カルターナカ州チクマガルル地区の西ガーツ山脈地帯のサヒャディにあります。この農場は、600ha以上の広い敷地を有し、海抜900~1400mの高地に位置しています。その標高に加え、毎年350cmにまで達する雨量によって、肥沃な土と青々とした日陰が生まれるため、ここで栽培されるアラビカ種とロブスタ種はのびのびと成長しています。M. S. 産地は、1937年からコーヒー産業に携わってきたバラヌール農場が所有している産地の一つです。

  1. M.S. 産地で栽培しているアラビカ種は、Selection-795、Selection-9、オールド・ケント、サルチモール、そしてカウベリーです。シルバー・オーク、ザクロおよび様々なジャングルの樹々がコーヒーの木の間に生えており、日陰を作ると共に、インドハッカ、オウム、クジャク、キツツキ、フクロウ、そしてインコといった、たくさんの鳥のすみかとなっています。この地域では、バイソン、シカ、キツネや野生のイノシシなどの様々な動物たちが見られます。

収穫、発酵、洗浄、乾燥、および精製の各工程は、細心の注意を払って行われます。収穫の時期は、コーヒーの木のまとまりごとに種別と標高から判断され、厳選した実の収穫を毎年3~4周行います。シェードグロウンのアラビカ種とロブスタ種は、自然発酵を経て、最先端かつ最新のプロセス設備と精製設備によって、高品質なコーヒ―となります。特筆すべきは、コーヒーを出荷の直前に精製することで、旬の間に生豆の鮮度をしっかりと維持している点です。バラヌール農場では、生産したコーヒーをすべて自社倉庫で保管するなど、コーヒー生産の全工程を完全にコントロールする仕組みによって、ひとつひとつのコーヒー豆のトレーサビリティを実現できるようになりました。

持続可能な栽培は、バラヌール農場が大切にしているポイントであり、敷地内に排水処理タンクを設置したり、エコで自然に優しい栽培方法を実践したりしています。バラヌール農場は、栽培の一環として自然林を保存することが重要だと考えており、土壌流出を防ぎ水資源を確保するため、砂防ダムの建設と峡谷を覆うような森林作りを行いました。この産地では、従業員に、住居、従業員の子供たちのための学校、託児所、そして医療施設を提供しています。バラヌール農場の全従業員には、産休や傷病休暇といった社会福祉サービスも用意されています。